当工房では、雛人形や五月人形を作っています。
よく節句人形は「いつごろから飾ったら良いですか?」や「いつ頃片づけたら良いですか?」と相談されます。
「気が向いたときで良いですよ」と言いつつも、目安となるものがあると1年にリズムが生まれますね。
そこで、ひとつの目安として、「二十四節気」(にじゅうしせっき)をおすすめします。
目次
二十四節気(にじゅうしせっき)とは?
簡単に言うと、1年を24分割(四季ごとに6つ)し、季節の移り替わりの目安としたものです。
立春(りっしゅん)や啓蟄(けいちつ)などは、聞いたことがある人も多いかと思います。
季節 | 二十四節気名 | 2022年の日付 | 意味 |
---|---|---|---|
春 | 立春(りっしゅん) | 2月4日 | 春の始まり |
雨水(うすい) | 2月19日 | 雪が雨に変わり、氷がとけて水になる | |
啓蟄(けいちつ) | 3月5日 | 大地が温まり冬眠をしていた虫が穴から出てくる | |
春分(しゅんぶん) | 3月21日 | 昼と夜の長さがほぼ同じになる日。この日から、気温が穏やかで、雨が豊かになる | |
清明(せいめい) | 4月5日 | すがすがしく明るい季節という意味 | |
穀雨(こくう) | 4月20日 | 穀物の成長を助ける雨 | |
夏 | 立夏(りっか) | 5月5日 | 夏の始まり |
小満(しょうまん) | 5月21日 | 万物が次第に成長して、一定の大きさに達する | |
芒種(ぼうしゅ) | 6月6日 | 稲・麦など芒 (のぎ) をもつ穀物の種をまく時期 | |
夏至(げし) | 6月21日 | 北半球では1年で最も昼の時間が長い時期 | |
小暑(しょうしょ) | 7月7日頃 | 梅雨明けが近く | |
大暑(たいしょ) | 7月23日 | 気温が上がり続ける | |
秋 | 立秋(りっしゅう) | 8月7日 | 秋の気配が立ち始める日 |
処暑(しょしょ) | 8月23日 | 暑さがおさまるという意味 | |
白露(はくろ) | 9月8日 | 草木においた露が白く見えるという意味 | |
秋分(しゅうぶん) | 9月23日 | 昼の長さと夜の長さが同じになる日。この日から夜の方が長くなっていく。 | |
寒露(かんろ) | 10月8日 | 地面の露が寒冷にあって凝結するという意味 | |
霜降(そうこう) | 10月23日 | 霜が降りるという意味 | |
冬 | 立冬(りっとう) | 11月7日 | 冬の季節の始まり |
小雪(しょうせつ) | 11月22日 | 雪が降りはじめるころ | |
大雪(たいせつ) | 12月7日 | 本格的に雪が降り始めるころ | |
冬至(とうじ) | 12月22日 | 夜が最も長くなる日。カボチャの煮物を食べる風習 | |
小寒(しょうかん) | 1月5日 | これからもっと寒さが厳しくなるころ | |
大寒(だいかん) | 1月20日 | 寒さが最も厳しくなり |
雛人形に関係する二十四節気
立春(りっしゅん)2月4日頃や雨水(うすい)2月19日頃です
立春は節分の翌日で、邪気を払った後です。
雛人形を飾るにはちょうど良いとされています。
雨水は、雪や氷がとけて雨水として降ってくるという、春の訪れを感じる時期です。
啓蟄(けいちつ)3月5日頃や、地域によっては旧暦(4月3日)です。
地域によって片づける日はバラバラです。
雛人形の片づけは、日にちを重視するよりも、晴れた日が続いた、湿気の無い日がベストです。
五月人形に関係する二十四節気
春分(しゅんぶん)3月21日頃~清明(せいめい)4月5日頃~穀雨(こくう)4月20日頃がよいです。
春分の日は、自然をたたえ生物をいつくしむ日で、春のお彼岸の日でもあります。
清明(せいめい)は「すべてのものが清らかで生き生きしている」という意味です。
穀雨(こくう)は「春の柔らかな雨に農作物が潤う」という意味です。
いずれも春のすがすがしい時期です、五月人形を飾るにピッタリですね。
小満(しょうまん)5月21日頃がよいです。
小満とは、生命が満ちていく時期のこと。太陽の光を浴び、万物がすくすく成長していく様子をあらわしています。
小満以降ぐずついた空模様の「走り梅雨」「梅雨の走り」と呼ばれる天候が続きます。
天候が悪くなると、湿気が増えるため保存に適さないため、その前に片づけましょう。
まとめ(気が向いた時が縁起良い)
紹介した二十四節気はあくまで目安です。
また、当工房の雛人形・五月人形の納品は目安の飾る時期より遅くなります。
(これは、完全受注生産で、大手の人形店のように在庫が無いためです。)
あくまで、お持ちの人形を飾る目安としてお使いください。
個人的には「気が向いたときが一番縁起がよいのでは?」とも思っています。笑
時間に余裕があったり、天気が良かったりで「気が向くとき」も理にかなっていますよ。
知識として二十四節気を知っておくと、一年の中にリズムが生まれます。
「四季を深堀りした古典的な目安をもっておく」というのは、風情がありますね。
四季をたのしめる知識として、二十四節気を心がけてみてはいかがでしょう。