2021/12/11追記
雑誌カーサブルータス 2022年1月号にもごん太を紹介いただいています。
筑前津屋崎人形巧房の「ごん太」がメディアの紹介されることがあります。
その度に、「なんなのこれ?」といった声をいただきます。笑
古い人形なので、作っている私たちにもわからないがあるのですが、知りうる情報を整理いたしました。
ごん太とは
「ごん太」とは筑前津屋崎人形巧房が作る津屋崎人形の一つで、白く塗られた、裸の男の子の人形です。
外見の特徴としては以下のようになります。
- 直立不動(気をつけ)の姿勢であること
- ケシ坊主(江戸時代の髪型で髪の一部を残した坊主)をしていること
- 肩のあたりだけ、肌着のようなものを着ている
- 顔の描き方は女性であり、よくわからない表情をしている
- 大・中・山笠・極小・横のバージョンある




ごん太の歴史
ごん太の歴史としては以下のように伝わっています
- 明治時代のおしゃぶり人形
- おしゃぶりとして、米粉とフノリで白色のみを塗っていた(顔などを描いていなかった)
- 素焼きだと水分を吸収し、皮膚にひっつくため白く塗っていた(舐めていくと米粉剥がれ、だんだんと素焼きが現れる)
- 素焼きの人形を口にくわえることで、癇の虫(癇癪をおこす虫)を退治できるとのまじないがあった
- 津屋崎人形だけでなく、九州全体で流行った人形の形


ごん太のなぞ
土型で残っていたため、津屋崎人形のごん太(大・中)はかなり歴史が古いことが確かです。
山笠ごん太は津屋崎祇園山笠を紹介する人形として、ごん太(大)をベースに3年ほど前に私が作りました。
ごん太(横)は、昔からベージュで塗っていたことから「這い這い人形(全国的に残されている赤ちゃんがハイハイしている人形)」の系統の可能性があります。
しかし、ごん太(横)は顔が赤ちゃんではなく、大きめの子供の顔(ごん太顔)のため、ごん太に属させています。
ごん太(極小)は数年前に工房内で型を発見しました。
ここらへんから、ごん太が何なのか、よく分からなくなりました。
最近のごん太
昔からコツコツと作られていたごん太ですが、2018年にTBS「マツコの知らない世界」で紹介されて以来、じわじわと人気をあげていきました。
番組で紹介してくださった山響屋の瀬川さんには感謝です。
また、お世話になっているデザイナーの方の提案で、人形紹介のリーフレットにごん太の写真を使いました。
それから企業コラボで、ごん太に洋服を着せたりすることが始まるのです。
そのような取り組みも含め、西日本新聞で掲載された記事が、Yahoo!ニュースに載ったことで全国的に知られるようになりました。
ごん太は、古くから津屋崎人形のマスコット的存在だった「モマ笛」に並ぶ存在となりました。

2020年には、山響屋の瀬川さんが郷土玩具を紹介する本を出されて、その表紙はごん太となりました。
以上が、この変な人形のシンデレラストーリーでした。
ごん太の親戚
ごん太は、九州で流行ったおしゃぶり人形でした。
そのため、親戚のように似た人形があります(昔は博多人形にもあったのだとか)。
佐賀の尾崎人形や弓野人形の「長太郎」がそれにあたります。
上記のリンクは尾崎人形です。
弓野人形の長太郎は、ネット検索すると画像を見ることができます。
ごん太はどこで見れる?
実際に見てみたいという声もいただきます。
最近納品した先は以下のようになります。
福岡
東京
大阪
名古屋
大分
また筑前津屋崎人形巧房のネットストアでも販売をしています。
まとめ
以上がごん太情報となります。
ごん太の顔は細かいため、人形師歴50年の七代目原田誠のみが顔の絵付けをしています。
その点が、表情に深みを出しています(多く作れない原因でもあるのですが)。
また謎が多いですが、そこもごん太の魅力なのかなあと思います。
ごん太のあたらしい型を発見したり謎が解明されたら、随時情報を更新する予定です。
ごん太の「ミステリアスで柔和で悲壮感もある複雑な表情」に惹きつけられたなら、あなたも今日からごん太党ですね。
あさイチを見ました。
津屋崎人形、知らなかったですが、あの大きなお祭りで使うとかいう、人形、すごいですね。顔の表情がイキイキしている!
そして ごん太、最初は興味なかったのに、なぜか、心ひかれてしまう、、。在宅勤務中の昼休みに奈良の津屋崎人形を扱っているお店を調べて見に行ってきました。
笛が欲しかったのですが、ない!
ごん太を買いに行こうかなぁ、欲しくなっています、。1体しかないんです。
奈良のお店にもっとたくさん人形と笛、卸してくださいね。
男前の八代目さん、がんばってください。
コメントいただきありがとうございます。
奈良のお店は瑜伽さんですかね?私も一度伺いました!
製作と納品、がんばります!