腑に落ちない描写
1999年公開の映画「マトリックス」といえば、名作です。
キアヌリーブス演じるの主人公ネオが、世界が実は仮想現実(マトリックス)で、本当の世界はコンピューターに管理されている世界だと知り、それを受け入れていくことがメインのストーリーです。
映画を見たことない人も、緑色の無数のカタカナ文字が流れる有名なオープニングはご存知かもしれません。
余談ですが、あのカタカナ文字は寿司の作り方が書いてあるそうです。笑
現在では4部作の映画ですが、1999年公開の初代「マトリックス」は悟りの映画だとも言えます。
そして、このマトリックス→現実世界へは、
①電話が鳴り響き
②その電話を耳に当てること
で移動できるということになっています。
公開当初、この描写は科学的な理由もなさそうだし、なんとなく腑に落ちない気持ちがありました。
しかし、公開から20年以上経ったある日、この描写に私は悟りを得たのです。
そこで私なりの考察を書きたいと思います。
「なんで黒電話?」と思った人の疑問が解決したら嬉しいです。
きっかけは私のiPhone
ある夜、寝ている時にiPhoneの着信音が鳴りました。
私はその時、夢を見ていたのですが、夢の中でiPhoneの「黒電話着信音」の「ジリリリリーン」という音が聞こえてきました。
その瞬間、「あ、これは夢だったのだ」と気づき「起きなきゃ」と思ったのとほぼ同時に目が覚めました。
つまり、黒電話の音により、夢が現実ではないことに気がつき、現実世界へと目覚めたのです。
目覚ましのアラーム音で同じような体験をした人は多いはずです。
電話は現実へと目覚めさせるアラームとして機能
このように、私たちの生活内でも、電話やアラーム音が、現実と思っていた世界(夢)から現実世界への架け橋となっています。
そして、おそらく映画内のマトリックスは夢から着想していると類推できます。
「夢を見たことはあるか?現実としか思えないような夢を。夢から起きられなくなったとしたら、どうやって夢と現実の世界の区別をつける?」
「マトリックス」赤い薬を飲んだネオに、モーフィアスが語りかける言葉
当初、主人公のネオは、マトリックスの中で生活していますが、現実世界が別にあると知り、マトリックス⇔現実世界を行き来するようになります。
マトリックスが仮想現実だと知り、世界を受け入れたとたん、自由に空を飛んだり、スーツの無敵なおっさんに追いかけられたり、武道をマスターできたりとなんでもありになっていきます。
これらはまるで夢のシーンで、明晰夢(睡眠をしながら、夢を操れるようになる状態)に近いです。
おそらく夢→現実世界への目覚めは、全ての人類が体感できている感覚なはずです。
電話の鳴る音で目が覚めるという「わかるなあ」と思わせる感覚的な体験を映画内に忍ばせる。
結果的にSF映画の世界→私たちの世界、への架け橋として機能しているのだと、私は悟ったのでした。
そして、2021年12月に「マトリックス4 レザレクションズ」が公開されるということで、映画内で電話は鳴るのか、その電話はスマホになっているのか、変なところが気になっているのでした。