以前、土人形は伏見稲荷の参道で作られたことが由来だと書きました。
今回、実際に京都にいってきました。
旅の目標は、
①土人形発祥の地である伏見稲荷にお参りすること
②郷土玩具平田(郷土玩具の聖地)に行ってみること
となります。
かなり、マニアックな観光ですね笑
郷土玩具に興味があったり、京都のディープなスポットに行ってみたい人にはおすすめです。
京都ディープスポット①「林龍昇堂」
僕は最近お香にハマっていて、土人形の技術で香炉やお香たてを作れないか模索しています。
勉強のため、まずは烏丸御池駅から徒歩10分の「林龍昇堂」へ
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趣深い店構えです。
こちらの創業は天保五年(1834年)の老舗です。
店に入るとお香のいい匂いで癒されます。
入店して気づいたのですが、お店が以前の筑前津屋崎人形巧房(1777年創業)そっくりだったのです。
長屋の正面にお店を構えると、似た店舗になるのですね。
懐かしさを感じながらの見学となりました。
こちらで、素焼きの香たてと、お香のセットを購入しました。
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香立は陶芸家の方が作ってあり、素焼きです。
永く使用すると風合いが出るのと、香を吸収して香立てが第二の香にもなるのだとか。
勉強になります。
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初日は京都散策となり、嵐山のふもとの旅館に一泊しました。
京都ディープスポット②伏見稲荷大社
翌日、伏見稲荷に向かうために渡月橋を渡っていると、軽い天気雨となり、虹がかかっていました。
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そう「狐の嫁入り」ですね。
天気雨を「狐の嫁入り」と呼ぶのは、晴れていても雨が降るという嘘のような状態を、何かに化かされているような感覚を感じて呼んだものと考えられており、かつて狐には妖怪のような不思議な力があるといわれていたことから、狐の仕業と見なして「狐の嫁入り」と呼んだともいう
Wikepediaより引用
これは、間違いなく伏見稲荷日和ですね。笑
京都駅から電車を乗り換えて二駅、「稲荷駅」下車で目の前は伏見稲荷大社となりました。
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この神社がなければ、僕は人形師になってないかもしれません。
稲荷神の使いは狐です。
これは、コメを食い荒らすネズミを狐が退治してくれたり、実った金色の稲穂と狐の尻尾が似ていることなどが理由のようです。
稲荷神の狐は「白狐(びゃっこ)さん」といわれ、人々にあがめられています。
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白狐さんが咥えているのは「稲穂」です。五穀豊穣や農耕の信仰ですね。
尻尾には「宝珠」があります、なんでも願いがかなう珠です。
宝珠はもともと仏教由来のもので、神社に登場するのは、密教や神仏習合の影響のようです。
写真の白狐さんは「火炎宝珠」といって燃えてるパターンです。
狐は、火も司るとされています。
火の玉のことを古くから「狐火」と言います。
神様の使いの狐が鍵や玉を持っていることから、「玉屋」と「鍵屋」という花火屋ができました。
それが現在の「たーまやー!」や「かーぎやー」の掛け声の由来です。
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伏見稲荷大社は広大な敷地で、山頂まで伸びていますが、今回は時間の都合もあり、本殿と奥社奉拝所までの参拝としました。
この山の土を使い作られた人形が、参拝客の京土産となり、全国へと羽ばたいたのですね。
一説によると、招き猫の派生の地ともされています。
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伏見人形が全国の土人形の元祖ですが、現在は「丹嘉」さんのみが作り続けています。
それだけ稀有な存在で、格式が高いです。
京都ディープスポット③郷土玩具平田
京都駅から徒歩20分ほど、世界遺産の東寺の入口のすぐそばに「郷土玩具平t田」がありました。
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中には全国各地の郷土玩具がずらっと並んでいます。
その数1500点以上!
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「ちびまる子ちゃん」で有名なさくらももこ先生は民芸ファンで、郷土玩具平田さんにも足を運ばれていたようです。
エッセイ「富士山第2号」の中でも、お店のことを紹介されています。
また、さくらももこさんの中・高・短大の学生生活を描いたエッセイ漫画「ひとりずもう」でも、雑貨屋さんでイヌイットのおばあちゃんが作った謎の人形を5,000円で買っていました(笑)
こういった独特の感性が、ちびまる子ちゃんの世界のキャラクターに活かされているのかもしれません。
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旅行の縁起物の寅を、旅行中に眺めるの図です笑
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山形県で200年以上の歴史をもつ相良人形は、赤色の使い方と顔の描き方が特徴的です。
とにかく圧巻の品揃えです!
相良人形は本の表紙にもなった「猫に蛸」が特に有名で、ガチャガチャにもなりましたが、他にもこんなに種類があるとは!
福岡ではなかなか見ることができない人形です。
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7代目の相良たかしさんの作で、いい表情をしている童子が金袋抱いています。
何とも金運が上がりそうな、おめでたい雰囲気に惚れました。
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素朴な絵付けと、ひげの書き方が可愛いです。
しかも、招き猫には珍しく、土鈴になっていて「カランカラン」と鳴る仕様です。
旭土人形はこちらに詳しく解説されていたので、ご覧ください。
前回、招き猫の解説をしたので自分でも欲しくなっていたのです笑
右手上げで金運アップですね!
以上、郷土玩具平田さんでした。
【まとめ】京都のディープな魅力
今回まわったのは、郷土玩具に関連した京都のディープなスポットでした。
ディープなお店と、ディープなお土産でとても楽しゅうございました。
コロナ禍は京都も観光客が少ないですし、ディープな場所に行けば、さらに避密の旅となります。
京都のような歴史ある街並みは、歩いているだけで楽しく、発見が伴いますよ!
またお土産も駅や土産店では買えない物ばかりになりました。
京都のディープなお土産に、郷土玩具や、伝統工芸、日本の文化を感じさせるものはいかがでしょう?